サービスごとにユニークなメールアドレスを使いたい
パスワードだけでなく、登録するメールアドレスもWebサービスごとに変えたいと思い、それを実現するサービスを調べてみました。
自分ならどのサービス利用するか検討したので、せっかくなのでまとめておきます。
きっかけ
Firefox Relayの記事1を見たことがきっかけです。
実を言うと、これまでもGmailのエイリアス機能を使ってサービスごとにユニークなメールアドレスを登録していました。
しかし、この方法には以下のような不満を抱いていました。
- エイリアスを使ったメールアドレスを登録できないサービスがある
- 実際のメールアドレスがわかってしまう
Firefox Relayのように、実際のメールアドレスとは全く異なるメールアドレスを作り、届いたメールを普段遣いのメールアドレスに転送すれば、私の抱いている不満は解消されます。
現時点(2020/8/29)では、Firefox Relayでは5つまでしかエイリアスを作れないため、似たようなサービスを探すことにしました。
発見したサービス
- SimpleLogin | Open-source email alias solution
- Free, Open-source Anonymous Email Forwarding - AnonAddy
検討結果
SimpleLoginの方が以下の点で自分好み。
- 有料プランの年会費が安い
SimpleLogin: 29.99ドル
AnonAddy (Pro): 36ドル (Liteは12ドル。ただしLiteでは使える機能がSimpleLoginに劣る。) - エイリアスに任意の単語を使える
登録先のサービス名を使えば、エイリアスの一覧を見たときにどのサービスに登録しているエイリアスか一目瞭然。
AnonAddyは任意の単語を使えないが、エイリアスの説明にサービス名を記入すれば一応識別可能。 - Androidアプリがある
- エイリアスごとにPGPの有効/無効を切り替えられる
AnonAddyは転送先メールアドレスの単位でしか切り替えられない - Fromヘッダで送信元を確認できる
メール一覧を見れば送信元がわかる。AnonAddyは本文に挿入されるバナーを見なければ確認できない。
ただ、SimpleLoginでは、PGPで暗号化されたメールを正しく復号できない場合がある、という現象を手元のPC環境で確認しています。
Gmail宛にメールを転送しているので、GmailでPGPを利用するためにFlowCryptというアドオンを使用しているのですが、以下のように正しく復号できない場合があります。
失敗例1
失敗例2: あと一息。復号すると「テストメールです」というメッセージになる。ProtonMailでもこのような復号結果になった。
成功例: 復号は成功していますが、英文は冠詞が抜けてますね。
一方、AnonAddyはテストした範囲ではすべて正しく復号できていました。
ちなみに、Android環境(K-9 MailとOpenKeychain)ではPCで復号に失敗しているメールも正しく復号できました。
せっかくなら暗号化を利用したかったので、私のPC環境でも問題なく動作するAnonAddyに少し気持ちが傾きかけました。
ただ、暗号化にそこまで拘らなくてもいいし、他の点はSimpleLoginの方がよいと思っています。
私はSimpleLoginをメインで利用したいと思います。
おわりに
サービスごとにユニークなメールアドレスを作成できるサービスについて、自分にあったサービスを検討しました。SimpleLoginは無料プランだと機能が制限されるので、有料プランの契約を考えています。
PGP暗号化は無料プランだと使えないのですが、登録後7日間は有料プランのトライアル期間だったので、その間に試しました。
2021/09/04 追記: 現在PC環境では、Thunderbirdを使って復号しています。Thunderbirdでは特に問題なく復号できています。